得たもの

この半年くらいで、
得たものと失ったものが、たくさんある。
けど、得たもののほうが、ずっと多くて、
ずっと重くて大切だということが、やっと分かった。

得たものは、自分の存在意義。
それも、自分で決めたり自分から感じたりした存在意義じゃない。
誰かが必要だとしてくれたり、誰かが認めてくれたりした、
他人を、それもこちらから信じた人を通した、存在意義。

あなたじゃないと、困る。
あなたがいないと、嫌だ。

そう言ってくれる人が、人数は少なくても、いてくれた。
こちらが思いやった相手が、こちらを思いやってくれた。
それだけで、自分のいままでの人生の全部が、報われた。

自分という存在は、ひとりしかない。
ひとりぼっちだと思っていた。そこからは逃げられなかった。
だから、誰かが必要だった。ずっとそうだった。

そして、いつしか、誰かのために何かをして、
その誰かが笑顔になるだけでも、嬉しいと感じる自分がいた。
誰かのために、何かをやりとげる自分がいた。

それがいつしか、自分もまた、誰かから
何かをしてもらえる存在になっていた。
お互いにお互いが大事だと、言い合えなくても、
そういうことを証明する出来事を、
起こしてくれる誰かがいてくれるようになった。


社会における自分が、やっと確立できた。
自分は社会にいて良いんだ。
誰かに必要とされるんだ。もし必要とされなくなっても
必要とされるよう、努力していけばいい。


そんな自分に、なれていた。
それが、いまの、最高の得たものだと思う。